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‖次世代マルチメディアによる遠距離制御システム

次世代マルチメディアによる遠隔制御システム



概念図

情報処理学会第64回全国大会 論文より抜粋

 近年のインターネットの普及などにより,多くの人が様々な情報を得ることができ,また世界中の人とコミュニケーションすることが可能となった。そして,情報がリアルに体感できるような環境が整ってきた。このようにネットワークとマルチメディアの融合により,娯楽・福祉・医療などへの応用が研究されてきている。ただし従来取り入れられてきたものは,目で見たり,耳で聞いたりといった人間の五感の中で言えば視覚と聴覚によるものがほとんどであり,残りの3つである触覚・嗅覚・味覚についてはあまり研究が進んでいない。
 従来のシステムに触覚を融合した遠隔制御システムはネットワークでつながっている2点間において,遠隔のコンピュータ周辺の物体をカメラなどで映し出し,ネットワークを通じてもう一方のコンピュータにそれと同様な仮想空間を表示し,その操作者がヒューマンインターフェイスを用いて,その仮想空間上の物体をつかむと,その物体をつかんだ時の様々な感覚を操作者に提示するシステムである。仮想オブジェクトは遠隔の物体と一対一に対応し,形状や材質などの情報が属性として付加されていれば,操作者は間接的に遠隔の物体を仮想空間にスーパーインポーズした物体を見ながら,体感できるようになる。もちろん,遠隔部分を除いて仮想モデルのみのシステムも考えられることはいうまでもない。このようなシステムで考えた場合,リモートにおける時間遅れを緩和できる。
 この遠隔制御システムを実現するには,様々な形の触感を提供するために,力覚の合成技術が必要となるが,安価に実現でき,需要が増えれば,
@ゲーム機などでの力覚のフィードバック
A動物に触れた時の感覚
B通信販売の商品に触れる
C商品の材料の質感
D旅行先決定前の擬似体験
などの分野に,臨場感を与えることが可能となる。
 従来の力覚を伝えるためのヒューマンインターフェイスとしては,HRP遠隔操作プラットフォームの把持操作把持力提示装置がある。これは,操作者の手首に把持操作把持力提示装置を装備し,ワイヤの張力を利用して把持力の提示を行う。操作者の親指と人差し指の動作範囲全域において把持のための開閉動作を指示できるようになっている。
 また,操作者の指に糸を張ったリングをはめ,その糸の他端をモーターにとりつけて糸の張力の制御で力覚を提示する「糸式」の力覚提示装置もある。
 しかし,これらに共通する欠点はグローブや糸を操作者が直接装着しなければならないことであり,装置が大掛かりで高価である
 音の合成・画像の合成などの次にくるマルチメディアとして力覚の合成を行い,触角機能を付加するマルチメディアを安価な方法で提供することが必要とされる。本研究では,力覚を提供するヒューマンインターフェイスにおいて,従来技術の短所である装着といったわずらわしさを解決するための手段に風を用い,その風力を制御し,それぞれの物体の属性を表現する触覚提示装置を考え,風量制御により人間の体感がどのようになるかということについて実験し,いくつかの結果が得られたので報告する。